金融ガラパゴス諸島 2017 10 29
「日本は、また周回遅れになってしまった」
舞台は、アフリカのケニアから始まる。
エムペサ(M-Pesa)とは、「M」がmobileのM、
「Pesa」がスワヒリ語のマネーのことで、
2007年にアフリカのケニアのモイ大学の学生が開発した、
携帯電話向けのソフトウェアであり、
携帯電話だけで、送金、貯蓄、支払いができるクリプト・カレンシー(暗号通貨)で、
銀行口座を持たないアフリカの人々に、あっという間に広まった。
この学生のソフトに目を付けたのが、
イギリスの携帯電話会社のボーダフォンだった。
そして、ボーダフォンとケニアの携帯電話会社が組んで事業化して、
これにIBMが入ってきてソフトに磨きをかけて、
クリプト・カレンシーとして完成させたのが、2012年だった。
現在、ケニアで1700万人、タンザニアで700万人、
その他ボーダフォンが活動するアフリカ諸国で利用者が広がっている。
日本よりも先にデジタル通貨先進国になったアフリカ諸国では、
人々は、エムペサというデジタル通貨を各人の携帯電話に貯め込んでいる。
日本は、金融分野において「ガラパゴス化」して、
アフリカ諸国に対しても、「周回遅れ」になってしまった。
(以上の文章は、下記の本から引用しました。一部加筆してあります)
書名 ビットコインは「金貨」になる
著者 石角 完爾 朝日新聞出版